FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

時計館の殺人

時計館の殺人 (講談社文庫)時計館の殺人 (講談社文庫)
(1995/06/07)
綾辻 行人

商品詳細を見る


何かミステリものを読みたくなった。綾辻さんのことを思い出し、たくさんある作品の中でこの『時計館の殺人』を選んだ。タイトルが一番気味悪かったから。

時計。昼間は何とも思わないのに深夜になるとその存在は少し変わる。定時のボーンという音におののき、秒針の音がとても大きく聞こえる。ふと目覚めたときデジタル時計がゾロ目だったら鳥肌がたつ。

時計館の殺人 - 針のない時計塔、百八個の時計コレクションで埋もれた館。「あの日」から10年・・・真実は血なまぐさい殺人を伴って明かされる。

私は読者でありながら、不幸にも時計館にいる一人のような気分にもなった。あぁなんで荷物を新館に置いてしまったんだろう。一方で江南君と謎を解こうとしたり、まんまと綾辻ワールドにはまってウロウロしていた。結局私の謎解きは真実から遠いものであったけれども。

読み終えてしばらく放心状態だった。高校生のころ作家Aの推理小説を読んでいたけど、これほど多層に"しかけ"のある作品は読んだことがない。おまけに夢からさめたような感覚。平面的な現実ではない何処か、幻想的な世界がこの作品に広がっていた。

推理小説は一度読んだら終わり?と思っていたが、これは読み返してみるのも面白そう。『十角館』や『霧越邸』も読んでみたい。

スポンサーサイト

終末期医療という問題

安楽病棟 (新潮文庫)安楽病棟 (新潮文庫)
(2001/09)
帚木 蓬生

商品詳細を見る

様々な症状の老人が暮らす痴呆病棟で起きた、相次ぐ患者の急死。理想の介護を実践する新任看護婦が気づいた衝撃の実験とは? 終末期医療の現状と問題点を鮮やかに描くミステリー!


・・・と本の説明がなされていたので、もっとミステリー度が高い小説かと思っていました。でも実際にはルポとかノンフィクションもののような作品でした。

 著者は精神科医です。なので看護師や病棟の動きはとても緻密に描かれています。痴呆老人を介護する様子は、まさにノンフィクションと言えるでしょう。日ごろ、痴呆(いまは「認知症」と言い換えられていますが)の老人に接することがない読者にとっては、この痴呆病棟だけでもカルチャーショックかもしれませんね。本当によく描かれているんです、老人の行動や介護する人の心理が。

 最終章で謎が一気に解けます。あぁなるほどそうだったのかと。ただ、なんだかすっきりしない・・・。職場にもよるのでしょうが、薬の管理体制が良いとは言えないですね(苦笑) 
 私の親戚が入院中、見舞いに行ったら他人の名が書かれた薬が置かれていました。「この薬、違ってませんか」と看護師に言うと「あら」だけでしたそういえば。病院は患者数が多いし、医療のウエイトが大きいだろうから薬の管理もこんなもんなんですかねぇ。読んでいてちょっと怖くなりました。

帰省の供 ねこ捜査官

ねこ捜査官ゴルゴンゾーラとハギス缶の謎 (ヴィレッジブックス)ねこ捜査官ゴルゴンゾーラとハギス缶の謎 (ヴィレッジブックス)
(2009/02/20)
ヘレン&モーナ ・マルグレイ

商品詳細を見る


 実家に帰ってみたら、父がこの本を買って私を待っていた(笑) 我が家はどちらかというと犬派のはずだったが、私が猫を飼いはじめてから圧倒的に猫グッズが増えている。

 ヴィレッジブックスは、あまり有名ではない作家の本が多い。私はこの著者を知らなかった。ブックカバーの表と裏を見て読んで、これって面白いのかしら・・・400ページもあるし、どうしようかなと思いつつ読み始めた。
 翻訳物には必須の「登場人物」のページを何度も行ったり来たりしながら読みすすめて、気づいたら2日間で300ページも読んでしまっていた。意外に面白くてハマった。
 ある小さなホテルの数人の宿泊客が、怪しく登場しては殺されていく。それはよくある海外ドラマのストーリーのようである。猫が捜査官だなんて、まるで三毛猫ホームズのシリーズみたいだと思いながらも、飽きずに読める。

 近年、テレビの海外ドラマは韓流一色になったけれど、以前は米英の推理ものがけっこうあった。私は「名探偵ポアロ」や「ジェシカおばさんの事件簿」が大好きだった。この本はそういう海外推理ドラマを観ているような気分にさせる。地名をよく知らなくても、登場人物の名がカタカナで覚えにくくても良いのだ。私は十分に楽しんでいる。

 実はまだ最後まで読んでいない。さきほど書いたように、あと100ページほど残っている。父が数十ページ読んだところで栞をはさんでいたため、この本は実家に置いてきたのだ。あと数週間、入院生活をおくる予定の父にも、この本を楽しんでもらいたいと思う。
 物語の結末は、次の帰省までお預けにすることにした。


"G"

重力ピエロ重力ピエロ
(2003/04)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


 久しぶりにミステリ小説を読んだ。それが伊坂さんの作品でよかった。彼の文体は、読んでいてホッとする。そしてなにより面白い。
 物語のあちらこちらに彼の好奇心を垣間みた気がする。ときどき「私」が伊坂さん本人なんじゃないかと思ってしまうことがあった。きっと、会って話してみると楽しい人なんだろうな。
 読み手の私は、いつも「私」の立ち位置なのだが、もっと正確に言うと、「私」のすぐ後ろにピタッとついて読んでいた。まるで守護霊のような感覚である(と言っても、私は生きているのだけど)。すごく感情移入しているからか、途中で読むことを止められない。本を離れているときにも、私は春のことを考えていた。

「そうね。あたしやあなたは、そのうち宙に浮く」

 主人公と春の母親が、サーカスをみながら一言。この本の78ページ3行目に出てきて以来、私の頭から離れることはなかった。
 「あたしやあなた」はもちろん夫妻(両親)のことを言っているが、最終的には「私」や春も含んでいたと思う。いつか"G"から解放されるときがくる。この母親の、家族への揺るがない愛と、彼女が本来持っている潔さはすばらしい。

 本書が映像化されるとか。これが傑作なだけに、とても興味がある。けれど一方で「観たいような、観たくないような・・・」自分がいる。この本を読むことによって、私は一つの映画をもう観てしまったかも、と思っているから。さてどうしようかな。
 
私について

チェリ

Author:チェリ
最後まで読まない(読めなかった)本も多いですが、基本的に本があれば幸せです。いつか図書館に住んでみたい。地震が起きたら本の重圧で動けないでしょう・・・そんな部屋に住んでいます。積読ばんざい! 本屋に行くと嬉しくて腹痛になりやすい人です^^;

最新記事です。
コメントをありがとう♪
テーマ
QRコード
QRコード
月別アーカイヴ
BGM
リンク
本家ブログや、本に関するツールです。すべて私がユーザー(管理人)のものばかりです。
その他

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
おいでませ!
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。