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揺れるバランス

小さき者へ (新潮文庫)小さき者へ (新潮文庫)
(2006/06)
重松 清

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 著者のあとがきにこう書いてある。「下り坂はたいがい転げ落ちるものだし、ひとが生きることは長い長い坂を上りつづけるようなものだとも言われる」「本書に収めた六編のお話は、どれも、急な坂道の途中にたたずむひとたちを主人公にしている」。



 私はこれまで重松さんの本を読んだことがなかった。それがたまたま、新幹線車中で読んだ『yom yom vol.10』で重松さんの作品に出会った。ぜひほかの話を読んでみたいと思い、この本を選んでみた。

 6編の中では、私は「海まで」と「団旗はためくもとに」が好き。

 「海まで」のカズキは、なんだか私に似ている(気がする)。弟と比べるられるのは好きじゃないけど、表向きは"どうでもいいんだ、そんなこと"。両親家族が自分に接するときの態度や気づかいが、うれしいのにそれを素直に受け取れないし、弟のように表現するのは照れくさい。もう、この子ったら!と言われれば言われるほど、自分の気持ちとは逆の態度をとってしまう。この短編を読んでいると、私の記憶がチクチク痛くなる・・・けど嫌じゃない。私は始終カズキの側に立っていて、それは違うのに・・・とか、そんなこと思ってもないよ、とか呟いていた。
 終わりのほうで、カズキが膝をさする場面は泣きそうになった! そうこれこれ! 重松さんの本はこれが困る外で読めない(泣きそうになるから)^^;

 「団旗はためくもとに」も同じような親に対するじれったさとか照れとか、とにかく素直になれない自分(当時の私)が同居してしまう。うちの父は押忍!とか言わなかったけど(笑)、まぁ同じような"あたし"の応援団であったわけだ。あれはなんとなく照れくさいし、鬱陶しいと思ったりもしながら実は嬉しく思っていた。今なら、あのとき応援してくれてありがとうね!お父さん!!と言えるだろうに、あのときは言えないんだなこれが。スミマセン、こんな娘で・・・でもありがとう、です。


 こうしてみると、私も大なり小なり、坂を上ったり下りたりしてきた。「振り向かない」のも人生を歩む一つのやり方ではあるけれど、たまに丘の上から振り返ってみるのも悪くない。重松さんの本は、そんな時間を与えてくれると思う。また他の作品も読んでみよう。


 
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私について

チェリ

Author:チェリ
最後まで読まない(読めなかった)本も多いですが、基本的に本があれば幸せです。いつか図書館に住んでみたい。地震が起きたら本の重圧で動けないでしょう・・・そんな部屋に住んでいます。積読ばんざい! 本屋に行くと嬉しくて腹痛になりやすい人です^^;

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